手打ちを防ぐラケットの持ち方と手の筋肉|テニス肘を予防する基本知識
テニスやバドミントンでよく
「手打ち」という言葉を耳にすることがあると思います。
手打ちとは、腕と体幹や骨盤が連動せず、腕だけで行うスイングのことです。
手打ちになると必要以上に腕の力を使うため、
- 疲れやすい
- ボールやシャトルのキレが出ない
- コントロールが安定しない
- 肘や肩を痛めやすい
といった問題が起こります。
手打ちを直すためには、体の使い方の前に、ラケットを正しく持ち、道具を体の一部として扱えることがとても重要です。
この記事では、
- ラケットを正しく持つことの重要性
- 手打ちになりやすい握り方の特徴
- 正しいラケットの持ち方
- 関係する筋肉
- 自宅でできるトレーニング
についてまとめます。
ラケットを正しく持つことの重要性
道具を使うスポーツでは、
正しく持つこと=正しく体を使うことの第一歩
になります。
ラケットを正しく持つことで、
- ラケットの重さ
- 長さ
- 面の向き
を正確に感じ取ることができ、
道具を体の一部として扱えるようになります。
これができると、
- 無駄な力が抜ける
- 全身が連動して動く
- スムーズなスイングができる
ようになります。
反対に、正しく持てていない場合は、
- 必要以上に力が入る
- 疲れやすくなる
- キレやコントロールが悪くなる
- 肩や肘を痛めやすくなる
といった問題が起こります。
テニス・バドミントンで多い肘の痛み
テニス肘(外側上顆炎)

テニスやバドミントンで多いのが、外側上顆炎(いわゆるテニス肘)です。
これは、肘の外側に付着する筋肉に繰り返し負担がかかることで起こります。
特に負担がかかりやすいのが、短橈側手根伸筋という筋肉です。
ラケットの持ち方が悪いと、
- 手首の位置が崩れる
- 指先に過剰な力が入る
- スイング時の衝撃が分散できない
結果として、この筋肉に疲労が蓄積し炎症が起こります。
握りが苦手な方の特徴
次のような特徴がある場合、ラケットの握り方に問題がある可能性があります。
- 小指側より親指側に力が入っている
- 手のひらより指先に力が入っている
- 強く握らないとラケットが抜けそうに感じる
- ラケットを握ると手首が小指側に下がりやすい(尺屈)
- 長時間プレーすると肘の外側が痛くなる
一つでも当てはまる場合は、持ち方を見直す価値があります。
ラケットの正しい持ち方
ラケットは、手のひらの小指側で支えることが重要です。

基本ポイント
- 小指側の手のひらのしわで挟む
- 親指と人差し指の付け根を当てる
- 指先の力を抜く
- 手首を軽く親指側へ起こす
この持ち方をすると、
- 手のひらの筋肉が働く
- 手首が安定する
- スナップが使いやすくなる
結果として、無駄な力を使わないスイングが可能になります。
使用する主な筋肉
ラケット操作には多くの筋肉が関与しますが、特に重要なのが次の2つです。
①虫様筋(ちゅうようきん)

虫様筋は、手のひらの奥にある小さな筋肉です。
主な働き
- 指の付け根を曲げる
- 第1・第2関節を伸ばす
- 指の細かい動きを調整する
また、虫様筋には固有感覚受容器が多く含まれており、
- ラケットの重さ
- 握り具合
- 面の感覚
を正確に感じ取る役割があります。
つまり、虫様筋を使える=道具を正確に扱えるということです。
②腕橈骨筋(わんとうこつきん)

腕橈骨筋は、前腕の外側にある大きな筋肉です。
主な働き
- 肘を曲げる
- 前腕の回旋を補助する
- スイングの減速をコントロールする
この筋力が低下すると、スイング後半の肘を伸ばす動きの減速が不十分になり、
結果として、短橈側手根伸筋への負担が増えることが考えられます。
これが、テニス肘の原因になることもあります。
おすすめトレーニング
「手のひらで握るとラケットが飛びそうで不安」
という方は、手のひらの筋力不足が関係している可能性があります。
自宅でもできる簡単なトレーニングを紹介します。
お手玉握りトレーニング(虫様筋)
お手玉や柔らかいボールを使います。

方法
- 手のひらを大きく開く
- 指の付け根を曲げる
- 指先は伸ばしたまま、お手玉を握る
- 5秒保持
- ゆっくり戻す
10回 × 2〜3セット
ポイント
- 指先に力を入れすぎない
- 手のひらで包む意識を持つ
- 力みすぎない
ハンマーカール(腕橈骨筋)
ペットボトルやダンベルを使用します。

方法
- 親指を上に向けて持つ
- 肘を曲げて持ち上げる
- ゆっくり下ろす
10〜15回 × 2〜3セット
ポイント
- 手首を曲げない
- 肘を固定する
- 反動を使わない
ラケット操作が変わる簡単ドリル
筋トレだけでなく、感覚を養う練習も重要です。
指先脱力ドリル
- ラケットを軽く持つ
- 指先の力を抜く
- 小指側だけ軽く支える
- 軽く素振りを行う
これを行うと、
- 手のひらで支える感覚
- ラケットの重さの認識
が高まりやすくなります。
まとめ
手打ちを改善するためには、体幹の使い方よりも先に、
ラケットの持ち方
を見直すことが重要です。
正しく持つことで、
- 無駄な力が抜ける
- スイングが安定する
- 肩や肘の負担が減る
といった変化が期待できます。
もし、
- 肘の外側が痛い
- 強く握らないと不安
- すぐ疲れてしまう
といった悩みがある場合は、まず「持ち方」と「手の筋肉」から見直してみてください。
小さな改善が、大きなパフォーマンス向上とケガ予防につながります。
