テニスやバトミントンでよく「手打ち」という言葉を聞くと思います。
手打ちとは、腕と体幹や骨盤が連動せず腕だけで行うスイングのことです。
手打ちになると必要以上に腕の力を使うので疲れやすく、肘や肩を痛める原因になります。
手打ちを直すには、体の使い方以前にラケットを正しく持ち、道具が体の一部になる必要があります。
この記事では、ラケットの正しい持ち方や必要な筋肉についてまとめます。
ラケットを正しく持つことの重要性
道具を使うスポーツは、正しく持つことで道具を正確に認識し、体の一部として扱えます。
それができることで、無駄な力が抜けて全身が連動して動くようになります。
しかし、それができない場合、必要以上に力を必要とするので疲れやすくキレやコントロールも悪くなり、肩や肘などを痛める原因になります。
テニス肘(外側上顆炎)
テニスやバドミントンで多いのは、外側上顆炎という肘の外側の痛みです。
ラケットの持ち方が悪いと肘の外側に付着する筋肉(短橈側手根伸筋)に疲労が蓄積して炎症が起こります。
握りが苦手な方の特徴
- 小指側より親指側に力が入っている
- 手のひらより指に力が入っている
- 強く握らないとラケットが手から抜けそうな感じがする
- ラケットを握ったときに手首が小指側下がりやすい(尺屈)
ラケットの正しい持ち方
ラケットは、手のひらの小指側のしわで挟むように持つことで、手のひらの虫様筋という筋肉が働きます。
親指側は、親指と人差し指の付け根をしっかり当てて指先の力を抜きます。
小指側に力が入ることで、手首を親指側に起こしてスナップのきいたスイングができるようになります。
使用する主な筋肉
①虫様筋
虫様筋は、指の付け根の関節を曲げたり第1・2関節を伸ばす働きがあります。
また、固有感覚受容器としての働きを持つため、虫様筋を使って握ることでラケットの重さや形を正確に認識し、適切な力加減で使用することができます。
②腕橈骨筋
腕橈骨筋は、肘を曲げる動きや微細な手の動き、力強い握りや持ち上げる動作など様々な機能があります。
手のひらの小指側に力を入れるにはこの筋肉も重要です。
スイングでは、初期に肘を曲げたり前腕を回したりする動きで働き、後半の肘を伸ばす動きもコントロールします。
この筋力が低下すると、肘を伸ばすときの減速が不十分になり、短橈側手根伸筋に過度な負担がかかることが考えられます。(テニス肘)
おすすめトレーニング
手のひらで握るとラケットが飛びそうで不安という方は、手のひらの筋力が不十分です。
トレーニングにより手のひらの筋肉を鍛えましょう。
虫様筋の筋トレ
虫様筋は、手のひらを大きく広げて使うことで働きやすくなります。
- 指の第1・2関節は伸ばし指の付け根の関節だけを曲げて手のひら全体でお手玉をつかむ
- 少しづつお手玉を増やしてできるだけたくさんつかむ
- つかんだお手玉を親指側から一つずつ落とす
腕橈骨筋の筋トレ
腕橈骨筋は、物を握った状態で手首を中間位~軽度撓屈位に保持することで働きます。
- ペットボトルorラケットを正しく持つ
- 腕を真っすぐ前に伸ばす
- 手首は動かさないようにして肘の曲げ伸ばしを行う
まとめ
テニスやバドミントンのラケットの持ち方や必要な筋肉についてまとめました。
- ラケットを正しく持つことの重要性
- ラケットの正しい持ち方
- 使用する主な筋肉
- おすすめトレーニング
正しい持ち方は、運動のパフォーマンスを上げ、体も痛めにくくなります。
是非参考にしてみて下さい。