今回は肩関節の運動を制限する原因とそれを改善するのためのリハビリ方法についてまとめてみます。
目次
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肩関節について
運動制限の原因と主な疾患
運動の制限因子となる硬い筋肉と弱い筋肉は混雑し、これらがアンバランスになるほど運動が制限されます。
骨折や術後の固定、重度の麻痺などで肩関節を全く動かせない時期があると肩甲骨周囲の筋肉が著しく衰えます。
肩関節周囲筋のアンバランス
- 五十肩(肩関節周囲炎)などの肩の痛み
- インピンジメント症候群
- 痙性麻痺
肩関節・肩甲骨周囲筋のアンバランス
- 上腕骨骨折の固定後
- 腱板損傷の術後
- 乳癌の術後
- 弛緩片麻痺
肩関節を動かす筋肉
肩関節屈曲(前方から腕を挙げる)の運動を3段階に分けて筋肉の働きをみていきます。
肩関節屈曲0〜60°
- 動力筋:三角筋前部繊維、烏口腕筋、大胸筋
- 制限因子:棘下筋、小円筋、大円筋
肩関節屈曲60°〜120°:肩甲骨が動き始める
- 動力筋:僧帽筋、前鋸筋
- 制限因子:大胸筋、広背筋
肩関節屈曲120°~180°:脊柱が動き始める
- 動力筋:三角筋、棘上筋、僧帽筋、前鋸筋
- 制限因子:大胸筋、広背筋、大円筋
肩関節を安定させる筋肉
肩関節の安定には回旋筋腱板(ローテーターカフ)と言われる4つの筋肉がバランスよく働くことが必要です。
この筋肉はインナーマッスルなので表面の筋肉が硬くなると働きが悪くなります。
- 棘上筋:肩関節外転に作用
- 棘下筋:肩関節外旋に作用
- 小円筋:肩関節外旋に作用
- 肩甲下筋:肩関節内旋に作用
肩甲骨を安定させる筋肉
肩甲骨は肩関節の運動に常に先行して安定に働くことで運動をスムーズにしています。
肩甲骨の安定には上方回旋筋群と下方回旋筋群がバランスよく働くことが必要です。
- 上方回旋筋群:僧帽筋、前鋸筋
- 下方回旋筋群:肩甲挙筋、小胸筋、菱形筋
※前鋸筋は肩甲骨を前方に動かす唯一の筋肉です。
疾患などでバランスが崩れた場合の多くは、腕を挙げるときに肩甲骨が挙がる又は後ろに引けます。
- 上方回旋筋群→筋力低下
- 下方回旋筋群→高緊張
自宅でできるリハビリ
肩甲骨を安定させる運動
肩関節が90°まで挙がらない方の運動です。
前鋸筋トレーニング
- 両手を組んで腕を90°もしくは挙げれるところまで挙げる
- 体は動かさず両手のみを前に出して肩甲骨を引き出す
- 両手を前に突き出した状態で20秒キープ
肘の曲げ伸ばし
肘を動かしても肩甲骨を前方に突き出した状態をキープできるようになることを目指します。
- 両手を組んで肩甲骨を前に引き出した状態から開始する
- 両肘の屈伸をゆっくり5回繰り返す
※肘を曲げたときに肩甲骨が後ろに引けないように注意
四つ這い
体重をかけても肩甲骨を引き出した状態をキープできるようになることを目指します。
- 四つ這いになる
- 肩甲骨を前に引き出し背中を丸めて10秒キープ
肩関節を安定させる運動
肩関節が90°から上がらない方の運動です。
腕を外側に上げる
- 外に向かってゆっくり腕を上げる
- 少し保持してゆっくり下ろす
両手を組んで挙げる
- 両手を組む
- 肘を曲げた状態から、上に向かって腕を挙げる
まとめ
肩関節が動かしにくくなる原因とそれを改善するためのリハビリ方法について簡単にまとめてみました。
もっと詳しく知りたい方のために、おすすめの書籍も紹介しておきます。
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