糖尿病は、予備軍を含めると国内で1000万人以上、40歳以上の約10人に1人が発症していると言われています。

初期にはほとんど自覚症状がなく、「少し数値が高いだけだから大丈夫」と放置されがちです。

しかし、進行すると脳梗塞や心筋梗塞など命に関わる病気につながるため、早期の対策がとても重要です。

この記事では、糖尿病の原因・症状・予防方法・自宅でできる運動についてわかりやすくまとめます。

監修:西本 武史(医師・医学博士)
介護医療院グリーン三条施設長。広島大学医学部卒業後、脳神経外科医(脳神経外科専門医・脳卒中認定医)として急性期病院20年、回復期病院6年勤務。国立がんセンター研究所で2年半研究に従事。

糖尿病とは?

糖尿病とは、膵臓から分泌されるインスリンの働きが低下し、血糖値が高い状態が続く病気です。

血糖値が高い状態が続くと、血管や神経がダメージを受け、さまざまな合併症を引き起こします。

糖尿病の種類

  • 1型糖尿病:自己免疫などが原因でインスリンがほとんど出なくなる
  • 2型糖尿病:生活習慣や遺伝が関係(日本人の大多数)

特に中高年に多いのは、2型糖尿病です。

高血糖による初期症状

初期は無症状のことが多いですが、進行すると以下のような症状が出てきます。

  • 喉が渇く・水をよく飲む
  • 尿の回数が増える
  • 尿が泡立つ
  • 体重が減る
  • 疲れやすい
  • 傷が治りにくい

この時点で気づけるかどうかが重要です。

糖尿病の合併症(放置すると危険)

糖尿病神経障害

手足のしびれや痛みが出現し、進行すると感覚が鈍くなります。
重症化すると足潰瘍や壊疽につながることがあります。

糖尿病網膜症

目の血管が壊れ、進行すると失明の原因になります。

糖尿病腎症

腎臓の機能が低下し、最終的には人工透析が必要になることがあります。

動脈硬化

血管が硬くなり、

  • 脳梗塞
  • 心筋梗塞

のリスクが大幅に上昇します。

糖尿病の原因

内臓脂肪の増加

内臓脂肪が増えると、インスリンの働きが悪くなります(インスリン抵抗性)。

特に

  • 急に太った
  • お腹が出てきた

という方は要注意です。

早食い・過食

早食いは血糖値を急上昇させ、膵臓に負担をかけます。

さらに満腹感が遅れるため、食べ過ぎ→内臓脂肪増加の悪循環になります。

筋力低下(見落とされがち)

筋肉は血糖を消費する重要な組織です。

筋肉量が減ると、
→ 血糖が下がりにくくなる
→ 糖尿病が進行しやすくなる

高齢者では特に重要なポイントです。

糖尿病の検査基準

  • 空腹時血糖値:126mg/dL以上
  • HbA1c:6.5%以上

※HbA1cは過去1〜2ヶ月の平均血糖を反映

糖尿病の一般的な治療

基本は以下の3つです。

  • 食事療法
  • 運動療法
  • 薬物療法(内服・インスリン)

※初期ほど「生活改善」の効果が大きいです

生活リハビリ

食事の工夫(すぐできる)

食べるスピード15分以上かけて食べる

食べる順番(血糖コントロールに重要)

  1. 野菜
  2. 肉・魚(タンパク質)
  3. 炭水化物(5分後)

なぜ効果がある?

  • 食物繊維 → 糖の吸収を遅らせる
  • タンパク質 → インクレチン分泌 → 血糖上昇を抑える

注意点

  • 野菜ジュースは代用にならない
  • 丼・カレーはサラダを先に食べる

自宅でできる運動

ウォーキング(最も効果的)

特に朝食後の運動は1日の血糖を安定させやすいと言われています。

方法

  • 1日30分〜1時間
  • 食後30分〜2時間がベスト

スクワット

下半身の筋肉は全身の中でも特に大きく、血糖を多く消費するため、糖尿病の予防・改善に非常に効果的です。

方法

  1. 足を肩幅に開く
  2. 背筋を伸ばしたままゆっくり腰を下ろす
  3. 椅子に座るイメージで行う
  4. 膝がつま先より前に出ないよう注意

回数の目安:10回 × 2〜3セット

ポイント

  • 呼吸を止めない
  • 太ももに軽く負荷を感じる程度でOK
  • きつい場合は浅くしゃがむだけでも効果あり

段差昇降

段差昇降は、有酸素運動と筋力トレーニングを同時に行える効率の良い運動です。

特に太ももやお尻の筋肉をしっかり使うため、血糖コントロールに効果的です。

テレビを見ながらでも行えるので、時間がない方にもおすすめです。

方法

  • 15~20㎝程度の踏み台を用意
  • 上がっておりてを繰り返す
  • 1段ずつしっかり踏み込む

時間の目安:5〜10分程度から開始

ポイント

  • 息が少し上がる程度の強さが理想
  • 膝や腰に痛みがある場合は無理をしない

こんな方はすぐに対策を

  • 健診で血糖値が高いと言われた
  • お腹周りが増えてきた
  • 運動習慣がない
  • 食べるのが早い

「まだ大丈夫」の段階が一番改善しやすいです

まとめ

糖尿病は初期に気づきにくいですが、放置すると重篤な合併症につながります。

重要ポイント

  • 初期は無症状でも進行する
  • 合併症は失明・透析・脳梗塞など重大
  • 食事と運動で改善できる可能性が高い

糖尿病は「治す」よりも
「進ませない」「コントロールする」病気です。

特別なことをする必要はなく、日々の生活を少し変えることが最も効果的です。

まずは

  • 食べる順番
  • 食後のウォーキング

この2つから始めてみてください。

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