関節可動域

自動運動によるROMを考える

今回は自動運動によるROM(Renge of motion)について考えてみたいと思います。

自動運動は対象者自身で運動を行いますが、できる運動をただ繰り返すだけでは多様性のある運動は獲得できません。

リハビリでは正しい運動の知識を持って適切にアドバイスすることが療法士の仕事になります。

状態や目的に応じて他動運動と使い分けれることで評価と治療の幅が広がるかと思います。

自動運動とは

ROM(関節可動域)とは身体の各関節が運動を行う際の生理的な運動範囲のことです。

各関節で正常な運動範囲が決まっており、測定は角度計を用いて5°刻みで行います。

その中で自動運動とは対象者のみで関節を動かす方法になります。

療法士は動かし方などの指示を出すことがありますが、関節運動自体は手伝いません。

自動運動の目的

①評価

  • 独力で動かせる関節可動域の範囲を測定
  • 他動運動での関節可動域との比較
  • 姿勢・運動制御を観察:段階的な保持や選択運動

②治療

  • 筋力強化
  • 軟部組織(皮膚、筋、靭帯、腱)の柔軟性改善
  • 固有感覚の改善
  • 姿勢・運動制御の改善
  • セルフケア

自動運動の適応

①評価

  • 他動運動で動く範囲を動かせない方
  • 関節可動域が保たれていても運動が拙劣な方

②治療

  • 術後や麻痺などで筋力が不十分な方(MMT3~4+レベル
  • 術後や痙性麻痺など軟部組織の柔軟性低下がある方
  • 運動への意欲や理解がある方

自動運動の注意点

  • 痛みを押して動かさない
  • 代償運動に注意して正しく運動を行う
  • やりすぎないように状態に応じて回数や頻度を決める



自動運動のポイント

自動運動では四肢のコントロールの評価・治療が中心になるかと思います。

強化したい筋を明確にする

筋には遅筋と速筋があり、この2つがバランスよく働くことでスムーズな運動を可能にしていますが、それぞれ役割や動かし方が異なります。

四肢のコントロールでは主に遅筋線維を使用するのでゆっくり動かすこと、特に腕を降ろすときなど重力に対して段階的に無理なく保持できることが重要になります。

注意点

  • 運動開始時の過剰出力に注意する
  • 重力下での落下運動や代償運動に注意する

運動の質を見極める

自動運動の際に本来使用する筋とは異なる筋で運動を補うことを代償運動と言います。

角度だけで評価すれば代償運動でも正常範囲になることがありますが、得意な筋だけを使用するので筋力のアンバランスな状態を助長します。

脳は運動を制御していますが、一つ一つの筋肉を制御しているわけではありません。

これは筋が連動して働くということであり、姿勢と運動の相互関係が大変重要になります。

従って姿勢と運動が崩れない範囲で正しい運動を指導することが望ましいと思われます。

注意点

  • 運動面(矢状面・前額面・水平面)に対して並行に動かす
  • 姿勢が崩れないように注意する(基本軸が動く)