脳卒中片麻痺の方に対する四肢の評価は、ブルンストロームステージなどがありますが、体幹機能の評価で悩むことはありませんか?
今回は、脳卒中片麻痺患者の体幹機能の評価の中でも使いやすい
- Trunk Control Test(以下:TCT)
- Functional Assessment for Control of Trunk(以下:FACT)
2つを紹介します。
監修:西本 武史(医師・医学博士)
介護医療院グリーン三条施設長。広島大学医学部卒業後、脳神経外科医(脳神経外科専門医・脳卒中認定医)として急性期病院20年、回復期病院6年勤務。国立がんセンター研究所で2年半研究に従事。
TCT(Trunk Control Test)について
TCTは、ベッド上で実施でき、全4項目を100点満点で評価し、点数が高いほど体幹機能が良好ということになります。
片麻痺患者の体幹機能の研究では、起き上がり時間が短いほど体幹機能が高いという報告もあるようです。
TCTの評価項目
①非麻痺側への寝返り
0点 12点 25点
②麻痺側への寝返り
0点 12点 25点
③起き上がり
0点 12点 25点
④座位保持
0点 12点 25点
TCTの配点
- 0点:介助を要す
- 12点:動作可能であるが、正常とはいえない
- 25点:正常に遂行可能
FACT(Functional Assessment for Control of Trunk)について
FACTは、全10項目を20点満点で評価し、点数が高いほど体幹機能が良好ということになります。
この評価は、歩行能力と相関があるとされており、その目安は14点です。
FACTの評価項目と配点
①上肢で手すりなどを支持して10秒以上端座位保持可能かをみる
可能:1点 不能:0点
②上肢支持なしで10秒以上端座位保持可能かをみる
可能:1点 不能:0点
③片側の手で反対側の足首を握って戻る
可能:1点 不能:0点
④両側臀部を持ち上げ左右に移動する
可能:2点 不能:0点
⑤片側臀部を座面から3秒以上離す
両側:2点 片側:1点 不能:0点
⑥片側大腿部を持ち上げ足底面を床面から3秒以上離す
両側:2点 片側:1点 不能:0点
⑦両側足底面を床面から3秒以上離す
可能:2点 不能:0点
⑧前後へのお尻歩き
可能:3点 不能:0点
⑨仙骨より20㎝後方に置いた検者の指の本数を肩越しに見て答える
可能:3点 不能:0点
⑩片側上肢を最大挙上(肩関節屈曲)することで脊柱の最大伸展をみる
可能:3点 不能:0点
まとめ
脳卒中患者の体幹機能の指標となる評価を2つ紹介しました。
どちらの評価もできればOKでは、セラピストによって基準が異なってしまいます。
体幹機能の評価なので、体幹の安定や正しい運動まで評価して採点することが望ましいと思います。
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