リハビリ・介助で対象者に安心感を与える|動かし方3つのポイント
リハビリや介助では、動かし方によって対象者の安心感が大きく変わります。
また、正しい動かし方を身につけることで、
- 対象者の恐怖心を軽減できる
- 動作がスムーズになる
- 介助する側の身体的負担を減らせる
といった効果が期待できます。
逆に、
- 手で引っ張る
- 呼吸を無視して動かす
- 重心が不安定なまま動かす
このような動かし方では、対象者が緊張し、「重く感じる介助」になってしまいます。
この記事では、リハビリや介助で重要となる動かし方のポイントについて、私の考えをまとめてみます。
リハビリ・介助での動かし方の3つのポイント
リハビリや介助で重要なポイントは、次の3つです。
- 対象者の呼吸に合わせて誘導する
- 手で引っ張らず、身体を使って誘導する
- 対象者と介助者の重心を崩さない
ここからは、それぞれについて詳しく説明していきます。
① 呼吸を合わせた誘導について
リハビリや介助では、対象者の呼吸に合わせることが非常に重要です。
対象者と呼吸を合わせることで、
- リラックスしているか
- 緊張しているか
を感じ取ることができるようになります。
また、呼吸が乱れないように誘導することで、対象者が力みにくくなり、動作がスムーズになります。
対象者の呼吸が不安定になる原因
対象者の呼吸が乱れる原因には、次のようなものがあります。
- 痛み
- 恐怖心
- 不快感
- 防御性収縮(緊張)
また、介助量が足りないことによる代償運動も呼吸の乱れにつながります。
特に、
- 持ち方が不安定
- 動かし方が急
- 介助が遅れる
といった場合、対象者は不安を感じやすくなります。
呼吸を合わせるポイント
- 呼気に合わせて動作を開始する
- 呼吸が止まっていないか観察する
- 息を止めている場合は一度動作を止める
呼気に合わせて誘導することで、筋緊張が入りにくくなるという特徴があります。
② 身体を使った誘導について
対象者を動かす際、腕の力だけで動かそうとすると反発が起こりやすくなります。
この反発は、防御性収縮によるものであり、
- 対象者が重く感じる
- 介助量が増える
- 疲労しやすくなる
といった原因になります。
身体の使い方のポイント


- 手掌全体を使って対象者を支える(虫様筋握り)
- 手や腕は固定する
- 体幹や膝の屈伸を使って動かす
腕ではなく、身体全体を使うことが重要です。
よくある失敗
- 指先だけで持っている
- 体が動いていない(重心が移動していない)
- 腕の力で持ち上げようとしている
このような場合、対象者に余計な緊張を生じさせやすくなります。
③ 重心を崩さない誘導について

対象者を動かすときは、介助者自身の重心が安定していることが重要です。
介助者の重心が崩れると、対象者の重心も崩れやすくなります。
その結果、
- 不安定感
- 恐怖心
- 筋緊張の増加
につながります。
正面からの誘導で起こりやすい問題

正面からの誘導では、
- 介助者が前方重心になる
→ 対象者は後方重心になる - 介助者が後方重心になる
→ 対象者は前方重心になる
といった重心のズレが起こりやすくなります。
重心をキープするポイント
- 足底をしっかり床につける
(母趾球・小趾球・踵の3点支持) - 体幹を安定させる
- 膝を使って足底接地を保つ
このように、足底接地を保つことが安定した介助につながります。
表情から安心感を読み取る
対象者の安心感は、表情に現れることが多くあります。
例えば:
- 顔がこわばっている
- 眉間にしわが寄っている
- 視線が不安定
これらは、
- 痛み
- 恐怖心
- 不快感
- 呼吸の乱れ
のサインである可能性があります。
ご本人が「大丈夫」と言われても、実際には我慢していることも少なくありません。
表情の変化に気を配ることで、対象者の安心感を高めることができます。
安心感があると介助は軽くなる
対象者が思った以上に重く感じる場合、介助方法に不安や恐怖を感じている可能性があります。
不安や恐怖があると、
- 筋緊張が上がる
- 身体が固くなる
- 動きにくくなる
その結果、本来より重く感じてしまうことがあります。
逆に、安心感があると
- 筋緊張が下がる
- 動作がスムーズになる
- 介助量が減る
という変化がみられます。
臨床でよくある変化
例えば、起き上がり介助で「重い」と感じていた方でも、
- 呼吸に合わせて
- 体幹を使って
- 重心を安定させて
誘導することで、軽い介助で動けるようになることがあります。
このような変化は、動かし方を変えただけで起こることも少なくありません。
まとめ
対象者が思った以上に重く感じる場合、検者・介助者の誘導方法に不安を感じている可能性があります。
しかし、
- 持ち方
- 誘導方法
- 重心の安定
に気を付けるだけで、対象者の緊張が緩和し、介助量が軽減することがあります。
リハビリや介助では、「どう動かすか」が結果を大きく左右します。
ぜひ日々の臨床で意識して実践してみてください。
