近年、自費リハビリで開業する療法士が増えています。
知り合いや周りに事業をしている方がいない場合、開業の方法がわからないことがあるかと思います。
この記事では、開業や確定申告の手続きについてまとめます。
開業の手続きについて
個人で自費リハビリを始めるには、開業届を税務署や市役所またはインターネットで入手し、記入したものを税務署に提出します。
開業届を税務署に提出すれば、開業届に記載した開業日から個人事業主になります。
開業届は原則として事業を始めて1ヵ月以内に提出することになっています。
開業届の提出時に必要なもの
- 個人事業の開業・廃業届出書
- 印鑑
- マイナンバーカード
- 青色申告承認申請書(青色申告にする場合のみ)
審査はないので提出すれば、記載した開業日から事業開始となります。
開業届の記載について
自費リハビリで開業届を記載する際に注意することは屋号と職業です。
リハビリテーションやクリニック、治療院など医療系の開業権を持つ資格者しか名乗れない屋号や職業があります。
医師以外の医療系の開業権を有する国家資格は鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師、柔道整復師に限られています。
職業の項目は、医療類似行為に分類される職業であれば何でも構いませんが、整体業と書いておくのが無難かもしれません。
確定申告について
開業届を提出し個人事業主になると、1年間の所得を計算して税務署に申告する「確定申告」を自分で行います。(毎年2月中旬〜3月中旬)
確定申告には、青色申告と白色申告の2つの制度があり、青色申告を選択する場合は青色申告承認申請書を税務署に提出します。
白色申告は簡易簿記でよいとされていますが、青色申告も簡易簿記を選択することができます。
青色申告は各種特典があるのに対して白色申告には特典がないので、青色申告にすることをおすすめします。
青色申告の特典
- 複式簿記で確定申告した場合:55万円の特別控除
- 複式簿記でe-Taxを使って確定申告した場合:65万円の特別控除
- 簡易簿記で確定申告した場合:10万円の特別控除
- 事業の損失(赤字)が出た場合:損失分を最長3年間は翌年の会計に繰り越せる(黒字化しても前年の赤字分節税ができる)
確定申告時の提出書類
青色申告で確定申告する際に提出する書類は、以下のとおりです。
※青色申告決算書は、4ページあり、4ページ目が貸借対照表です。
簡易簿記(10万円の特別控除)
- 青色申告決算書(4ページ目を記載しない)
- 確定申告書B
- 添付書類台紙
複式簿記(55万〜65万円の特別控除)
- 青色申告決算書(4ページ目を記載する)
- 確定申告書B
- 添付書類台紙
会計ソフトを使うと、収入と支出を入力するだけで貸借対照表まで自動作成されます。
年間1万円程度の利用料で、手間なく複式簿記の特別控除が受けられます。
添付書類台紙
添付書類台紙は、確定申告に必要な証明書を貼り付ける用紙です。
添付する書類は、以下のとおりです。
- マイナンバーカードのコピー
- 源泉徴収票
- 社会保険料控除証明書
- 小規模企業共済等掛金控除証明書
- 生命保険料控除証明書
- 地震保険料控除証明書
- 障害者手帳
- 寄附金の受領証
まとめ
開業や確定申告の手続きについてまとめてみました。
自費リハビリでは開業届の屋号や職業、宣伝する際のホームページやチラシに医療用語を使用しないように注意して下さい。
この記事を参考にスムーズに開業していただけたらと思います。