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歩行周期(ランチョ・ロス・アミーゴ方式)と筋活動!歩行分析3つのポイント

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「歩けるようになりたい」「もっと上手に歩けるようになりたい」

という方に関わる機会は多いかと思います。

歩行にアプローチする場合、対象者の歩行を分析して必要な筋力を高めるトレーニングを行うと動作改善の近道になります。

非機能的な歩行を反復するだけでは、運動の質は変わらないかもしれません。

この記事では、歩行周期と筋活動、歩行分析のポイントについてまとめます。

歩行周期について

歩行周期とは、歩行の1歩にかかる時間を100%とした、一方の足が地面に接地した時点から同じ側の足が再度接地するまでの時間です。

歩行周期の割合は、立脚期60%・遊脚期40%が平均とされています。

  • 立脚期:足裏で地面を踏み、体を支える時期
  • 遊脚期:片方の足をもち上げて前に振り出す時期

分類としては、「ランチョ・ロス・アミーゴ方式」が一般的に使われています。

ランチョ・ロス・アミーゴ方式

ランチョ・ロス・アミーゴ方式とは、歩行分析に関する世界最高峰の「ランチョ・ロス・アミーゴ・国立リハビリテーションセンター」でドイツの理学療法士のキルステンゲッツ・ノイマンによって作成されました。

立脚期5つ、遊脚期3つの8相に細分化して分類したものです。

歩行周期の分類と筋活動

ランチョ・ロス・アミーゴ方式の分類と歩行時に使用する主な筋肉についてまとめます。

立脚期(stance phase)

初期接地(initial contact:IC)

足底が地面に接触する瞬間

  • 前脛骨筋:足関節底屈を減速
  • 中殿筋:接地直後の股関節外転

荷重応答期(loading response:LR):両脚支持期

IC~対側の足が地面から離れた瞬間()

  • ヒラメ筋:急速な背屈抑制

立脚中期(mid stance:MSt)

対側の足が地面から離れた瞬間~同側の踵が地面から離れた瞬間

  • ヒラメ筋:足関節ロッカー作用
  • 中殿筋:非支持側骨盤の下降を減速

立脚終期(terminal stance:TSt)

同側の踵が地面から離れた瞬間~対側のIC

  • 脊柱起立筋:体幹の前進を減速
  • 下腿三頭筋:足関節の固定作用

遊脚前期(pre swing:PSw):両脚支持期

対側のIC~同側のつま先が地面から離れた瞬間

  • 大腿直筋:股関節屈曲、膝関節伸展

遊脚期(swing phase)

遊脚初期(initial swing:ISw)

同側のつま先が地面から離れた瞬間~両側の足関節が矢状面で交差した瞬間

  • 前脛骨筋:足関節背屈
  • 大腿二頭筋短頭:膝関節屈曲
  • 脊柱起立筋:骨盤引き下げ

遊脚中期(mid swing:MSw)

両側の足関節が矢状面で交差した瞬間~同側の下腿が地面に対し直角になった瞬間

  • 大腿二頭筋短頭:膝関節伸展の速度調整

遊脚終期(terminal swing:TSw)

同側の下腿が地面に対し直角になった瞬間~IC

  • 中殿筋:接地直後の股関節外転

歩行時の体幹の筋活動

歩行時は、体幹の深部の筋であるインナーユニット(横隔膜、腹横筋、多裂筋、骨盤底筋群)が常に働くことで、呼吸と姿勢の安定、四肢のスムーズな運動が可能になります。

インナーユニットの機能低下は、不安定な歩行や努力的な歩行の原因になります。

歩行分析3つのポイント

歩行分析が苦手という方に、とりあえずここを見ておきましょうというポイントをまとめます。

①膝関節の伸展不足

立脚初期

大殿筋や大腿四頭筋の筋力低下などにより、立脚初期で過剰な膝屈曲や反張膝が起こります。

立脚初期での正常な膝関節の屈曲は10~20°(第1ニーアクション)です。

立脚後期

大殿筋の筋力低下や足底アーチの崩れなどにより、立脚中期~後期での膝関節伸展が不十分になります。

正常な立脚後期では、股関節と膝関節伸展により大腰筋の張力が解放されて遊脚初期(膝関節屈曲40°以上:第2ニーアクション)につながります。

②骨盤の動揺

立脚中期

体幹筋や中殿筋が筋力低下すると骨盤を水平位に保つことができず、お尻を左右に振りながら歩くようになります。

立脚後期で母趾への荷重が不十分になるので、床反力が上手く使えません。

③上肢の振り

上肢の振りがない場合や前腕だけ振って歩いている場合、姿勢を安定させるインナーユニットの機能低下が考えられます。

上半身の柔軟性がない歩行は、不安定で疲れやすく転倒リスクも高まります。

脊柱のカップリングモーション

脊柱のカップリングモーションとは、脊柱が側屈する際に回旋も伴う運動のことです。

【左下肢遊脚時】

  • 頸椎:左回旋、左側屈
  • 胸椎:左回旋、左側屈
  • 腰椎:左回旋、右側屈
  • 骨盤:左回旋

上記の動きに連動して右上肢を前、左上肢を後ろに振ります。

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まとめ

  • 歩行周期の分類と筋活動
  • 歩行時の体幹の筋活動
  • 歩行分析3つのポイント

についてまとめました。

歩行分析についてもっと詳しく知りたい方のために、おすすめの書籍も紹介しておきます。

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