筋膜性腰痛とは?原因となる3つの筋肉と自宅でできるセルフケア
「長く座ると腰が痛い」
「寝起きに腰が痛い」
このような腰痛で悩んでいませんか?
腰痛は多くの方が経験する症状ですが、原因によって対処方法が大きく変わります。
この記事では、筋肉の緊張が原因で起こる「筋膜性腰痛」に着目し、原因となる筋肉や自宅でできるセルフケアをわかりやすく解説します。
腰痛について
腰痛は大きく分けて、特異的腰痛と非特異的腰痛の2つがあります。
特異的腰痛
レントゲンやMRIなどの検査で原因が特定できる腰痛を特異的腰痛といいます。
代表的な疾患には以下があります。
- 腰椎椎間板ヘルニア
- 脊柱管狭窄症
- 圧迫骨折
- 感染性脊椎炎
- 大動脈瘤
- 尿路結石などの内臓疾患
これらは医療機関での診断と治療が必要です。
非特異的腰痛(一般的な腰痛)
レントゲンやMRIで原因が特定できない腰痛を非特異的腰痛といいます。
一般的な腰痛の約85%がこれに該当すると言われています。
原因としては、
- 生活習慣
- 運動不足
- 加齢
- 心的ストレス
- 同じ姿勢の継続
- 筋肉の緊張
などが関係しています。
特に、筋肉の緊張が原因で起こる腰痛を筋膜性腰痛と呼びます。
職場環境や生活習慣によって発症する方が多く、労働災害では全体の6割以上を占めると言われています。
注意が必要な腰痛
次のような症状がある場合は、筋肉だけの問題ではない可能性があります。
- 安静にしていても痛みが強い
- 夜間に痛みで目が覚める
- 足の強いしびれや力が入りにくい
- 発熱や体重減少がある
- 転倒後から痛みが続く
このような場合は、早めに医療機関を受診してください。
筋膜性腰痛とヘルニアの違い
筋膜性腰痛と初期の腰椎椎間板ヘルニアは、症状が似ていることがあります。
特に初期のヘルニアでは、
「ただの腰痛かな?」と思われるケースも少なくありません。
一般的には、
筋膜性腰痛
- 腰の張り感・重だるさが中心
- 動くと少し楽になることがある
- 押すと筋肉が痛い
ヘルニア
- 前かがみで悪化しやすい
- 足のしびれを伴うことがある
- 咳やくしゃみで響くことがある
などの違いがあります。
ただし、自己判断が難しいことも多いため、
しびれや強い痛みが続く場合は医療機関で相談しましょう。
腰痛を引き起こす3つの筋肉
筋膜性腰痛では、主に以下の3つの筋肉が硬くなることで痛みが引き起こされます。
① 脊柱起立筋
背骨に沿って走り、姿勢を保つ役割を持つ筋肉です。中腰や長時間の同じ姿勢で負担がかかります。

痛みの特徴
- 中腰の作業や、床の物を拾う動作で痛い
- 朝の寝起きに痛い
- 背中から腰にかけて広く「だるさ・硬さ」を感じる
② 腰方形筋
腰の奥にあり、骨盤の安定や体を横に倒す動きを支えます。左右差が出やすいのが特徴です。

痛みの特徴
- 左右どちらか一方が痛い
- 立っているとき片側に体重をかける癖がある
- 骨盤の高さに左右差がある
- 足を組むと楽に感じる
- 長時間歩くと痛みが強くなる
- 腰が抜けるような感覚
- 体をひねると痛む
③ 腸腰筋
お腹の奥にあり、股関節を曲げたり姿勢を保ったりします。
デスクワークなどで座る時間が長い方に負担がかかります。
痛みの特徴
- 長時間の座位・立位で痛みが強くなる
- お尻の奥の鈍い痛み
- 反り腰になりやすい
- 立ち上がりや歩き出しで腰が重い
- 太ももの外側にしびれ感が出ることがある
筋膜性腰痛のメカニズム
腰が痛いと、つい痛い部分だけを揉んだり、伸ばしたりしたくなります。
しかし、腰の筋肉が緊張している原因は、腰だけにあるとは限りません。
お腹やお尻など、体を支える筋肉がうまく働かないことで、腰の筋肉に負担が集中することがあります。
例えば、以下のような関係が考えられます。
脊柱起立筋の緊張
→お腹の筋肉がうまく働いていない
→腰の筋肉に負担が集中する
腰方形筋の緊張
→お尻の筋肉に左右差がある
→腰の片側に負担が集中する
腸腰筋の緊張
→お尻の筋肉がうまく働いていない
→腰や股関節周囲に負担が集中する
そのため、腰痛のセルフケアでは、腰をほぐすだけでなく、お腹やお尻の筋肉をしっかり働かせることも大切です。
「痛いところを緩める」だけではなく、「腰が頑張りすぎなくてもいい体をつくる」という視点を持つことがポイントです。
生活リハビリ
① 両方の坐骨で座る
腰への負担を減らすためには、普段の座り方を見直すことも大切です。

座っているときに、
- 足を組む
- 片側に体重をかける
- 骨盤が後ろに倒れて猫背になる
といった姿勢になっていませんか?
まずは、左右のお尻にある坐骨に均等に体重を乗せて座ることを意識してみましょう。
座るときのポイント
- 左右の坐骨に均等に体重を乗せる
- 足裏を床につける
- 骨盤を起こして座る
- 同じ姿勢を長時間続けない
無理に背筋を伸ばすのではなく、楽に呼吸ができる姿勢を意識しましょう。
② 同じ姿勢を続けない
「良い姿勢で座る」ことも大切ですが、同じ姿勢を長時間続けないことも重要です。
30~60分に1回程度を目安に、
- 立ち上がる
- 少し歩く
- 体を伸ばす
- 座り方を変える
など、こまめに体を動かしましょう。
良い姿勢をずっと続けるよりも、同じ姿勢を続けないことを意識してみてください。
「両方の坐骨」で座る習慣をつける
座っているときに足を組んだり、骨盤が後ろに倒れて猫背になっていませんか?
骨盤が倒れると、お腹やお尻の筋肉が潰れてしまい、腰に大きな負担がかかります。
- 左右の坐骨(お尻の骨)に均等に体重をのせて座る
- 同じ姿勢が続くときは、たまにお尻をキュッと締めて筋肉に刺激を入れる
自宅でできるセルフケア
腹筋と大殿筋の働きを感じながら行うことで、腰の緊張が緩和しやすくなります。
お尻上げ

方法
- 仰向けで両膝を立てる
- お尻の穴を軽く締め、両足に体重をかける
- お腹・お尻・ふくらはぎの力を感じる
- 10秒キープ×3回
ポイント
- 腰に力を入れない
- 無理にお尻を持ち上げようとしない
腸腰筋ストレッチ

方法
- 壁に手をつく
- 片足を後ろに引く
- 骨盤を前に出す
- 10秒キープ×3回
ポイント
- 足を動かすときに腰が反らないようにする
まとめ
筋膜性腰痛は、
- 筋肉の緊張
- 姿勢の崩れ
- 同じ姿勢の継続
によって起こることが多い腰痛です。
特に、
- 脊柱起立筋
- 腰方形筋
- 腸腰筋
の緊張は腰痛に大きく関係します。
改善のためには、
- 日常生活で姿勢を見直す
- 無理な動作をしない
- 運動を継続する
ことが重要です。
「少しの習慣の積み重ね」が、腰痛の予防と改善につながります。
無理のない範囲で、できることから始めてみてください。
