手の腱鞘炎|ばね指・ドゥケルバン病の見分け方と負担を減らす使い方
手首や指を動かしたときに痛みや引っかかりを感じることはありませんか?
- 親指を動かすと手首が痛い
- 指が引っかかる、カクっとする
- 朝起きたときに指が動かしにくい
このような症状は腱鞘炎(けんしょうえん)の可能性があります。
この記事では
- 手の腱鞘炎で多い2つの疾患(ドゥケルバン病・ばね指)
- 簡単な見分け方
- 負担を減らす手の使い方
- 自宅でできる運動
について分かりやすく解説します。
腱鞘炎とは
腱鞘炎とは、筋肉を動かす「腱」と、それを包む「腱鞘」に炎症が起こる状態です。
手は日常生活で常に使うため、
使いすぎ(オーバーユース)によって起こりやすいのが特徴です。
特に
- スマホ操作
- 家事(洗濯・料理)
- パソコン作業
などで負担が積み重なります。
手の腱鞘炎で多い2つ(ドゥケルバン病・ばね指)
手の腱鞘炎にはいくつかの種類がありますが、特に多いのが次の2つです。
ドゥケルバン病(親指を動かす腱の腱鞘炎)

- 親指側の手首が痛い
- 物をつかむ、ひねる動作で痛む
- 育児中の方に多い
ばね指(指を曲げる腱の腱鞘炎)

- 指の曲げ伸ばしで引っかかる
- カクっとなる(ばね現象)
- 朝に動かしにくい
簡単な見分け方
ドゥケルバン病のチェック

親指を握り込んで手首を小指側に倒すと痛みが出る
ばね指のチェック

指の曲げ伸ばしで引っかかりや痛みが出る
※強い痛みがある場合は無理に行わないようにしてください
ドゥケルバン病とCM関節症の違い
親指の付け根や手首の痛みは似ていますが、
ドゥケルバン病とCM関節症は原因や痛む場所が異なります。
■ドゥケルバン病
痛む場所:手首(親指側)
- 親指側の手首が痛い
- 腱鞘炎(腱の炎症)
- 親指を動かすと痛みが強くなる
- 出産後やスマホの使いすぎで起こりやすい
■CM関節症
痛む場所:親指の付け根(手のひら)
- 親指の付け根(手のひら側)が痛い
- 関節の変形や摩耗が原因
- つまむ・ひねる動作で痛みが出る
- 中高年の女性に多い
見分けるポイント
- 手首が痛い → ドゥケルバン病の可能性
- 親指の付け根が痛い → CM関節症の可能性
ドゥケルバン病・ばね指の一般的な治療と回復の目安
腱鞘炎は状態に応じて治療方法が変わりますが、
基本は炎症を抑えながら負担を減らすことが中心になります。
一般的な治療
・安静(使いすぎを避ける)
まずは痛みが出る動作を減らすことが重要です。
無理に使い続けると改善が遅れます。
・装具(サポーター・固定)
手首や指を安定させることで炎症を落ち着かせます。
ドゥケルバン病では親指〜手首、ばね指では指の固定が行われることがあります。
・薬物療法
湿布や塗り薬、痛み止めなどで炎症を抑えます。
・注射(ステロイド)
痛みが強い場合に行われることがあります。
炎症を強力に抑える効果があります。
・手術(重症例)
保存療法で改善しない場合に検討されます。
腱の通り道を広げる処置が行われます。
回復の目安
症状の程度や使い方によって個人差はありますが、一般的な目安は以下の通りです。
・軽症:数週間〜1ヶ月程度
→ 使い方を見直すことで改善しやすい
・中等度:1〜3ヶ月程度
→ 安静やサポーターの併用が重要
・重症:数ヶ月以上
→ 注射や手術が検討されることもある
早く改善するためのポイント
- 痛みを我慢して使いすぎない
- 手の使い方を見直す(特に手のひらを使う)
- 早めに対処する
「そのうち治る」と思って使い続けると長引きやすいため、早めのケアが大切です。
生活リハビリ
手の腱鞘炎は、手の使い方を変えることが改善と再発予防のカギになります。
手は日常的に使うため、同じ使い方を続けると改善しにくくなります。
ポイントは「手のひらを使う」ことです。
指だけでつまむ動作が多いと負担が集中し、疲労が蓄積します。
NG例

- ペットボトルを指でつまむ
- フライパンを指で持つ
OK例

- 手のひら全体で支える
- 物を抱えるように持つ
指の腱の使いすぎを減らすために、「つまむ」動作を減らし、手のひら全体で支える使い方が大切です。
自宅でできる運動
①手のマッサージ
手のひらのこわばりを取ることで、手のひら全体を使いやすくします。

方法
- 指の付け根から手のひらに向かってゆっくりほぐす
- 軽くグーパーして整える
ポイント
- 痛みがないようにやさしく行う
②手内在筋トレーニング
手内在筋(手のひらの筋肉)の使い方を覚えることで、指の過剰使用を減らします。

方法
- 一つのお手玉を手のひらだけで握って持ち上げる
- 持ち方は、指を伸ばした状態で、
指の付け根だけ曲げて手のひらのシワの部分で持つ - 慣れてきたらお手玉を一つずつ増やす
ポイント
- 指先や親指で持たない
- 痛みが出ない程度に力まず行う
まとめ
腱鞘炎は日常の使い方が大きく影響します。
- ドゥケルバン病とばね指は症状が異なる
- 手の使い方を見直すことが重要
- 手のひらを使う意識がポイント
早めに対処することで悪化を防ぐことができます。

