• 最近歩くのが遅くなった
  • 物忘れが増えてきた
  • トイレが間に合わないことがある

このような症状があると、「認知症かもしれない」と不安になる方も多いでしょう。

実は、認知症と似た症状が現れる病気の一つに「正常圧水頭症」があります。

正常圧水頭症は高齢者に比較的多くみられ、認知症やパーキンソン病と間違われることもあります。しかし、適切な治療によって症状の改善が期待できる病気でもあります。

この記事では、正常圧水頭症の特徴や認知症との違いについて解説します。

正常圧水頭症とは

脳や脊髄の周囲には「脳脊髄液」と呼ばれる液体が流れています。

正常圧水頭症では、この脳脊髄液の流れや吸収がうまくいかなくなり、脳の内部にある脳室が拡大します。

その結果、脳の機能に影響が出て、

  • 歩行障害
  • 認知機能低下
  • 尿失禁

といった症状が現れます。

特に高齢者では、加齢にゆr衰えや認知症と勘違いされやすい病気です。

正常圧水頭症の主な原因

正常圧水頭症には、大きく分けて2つのタイプがあります。

特発性正常圧水頭症

高齢者に多くみられます。

はっきりした原因が分からないまま発症することが多く、正常圧水頭症の多くを占めます。

続発性正常圧水頭症

脳や髄液の流れに影響を与える病気の後に起こることがあります。

例えば、

  • くも膜下出血
  • 脳出血
  • 頭部外傷
  • 髄膜炎

などの後に発症することがあります。

こんな経験はありませんか?

  • 数年前に脳出血で入院した
  • 転倒して頭を強く打ったことがある
  • くも膜下出血の治療を受けたことがある
  • 最近になって歩きにくさや物忘れが増えてきた

このような場合、加齢だけではなく正常圧水頭症が関係している可能性もあります。

また、正常圧水頭症は適切な治療によって症状の改善が期待できる病気です。

そのため、「年齢のせい」と決めつけず、症状に気づくことが大切です。

正常圧水頭症の3つの代表症状

① 歩行障害

もっとも早期に現れやすい症状です。

特徴として、

  • 歩幅が小さくなる
  • 足が上がりにくい
  • すり足になる
  • 歩き始めが遅い
  • 方向転換がしにくい
  • 転倒しやすい

などがあります。

本人は「足腰が弱っただけ」と思っていることも少なくありません。

② 認知機能の低下

認知症と似た症状が現れます。

  • 物忘れ
  • 集中力低下
  • 意欲低下
  • 反応が遅くなる

などがみられます。

ただし、アルツハイマー型認知症のような強い記憶障害よりも、

  • 考えるスピードが遅くなる
  • ぼんやりする

といった症状が目立つことがあります。

③ 尿失禁

症状が進行すると、

  • トイレが近くなる
  • 急に尿意を感じる
  • 間に合わない

などの症状が現れることがあります。

高齢者では加齢による変化と考えられやすいため見逃されることもあります。

アルツハイマー型認知症との違い

アルツハイマー型認知症では、初期から記憶障害が目立つことが多くあります。

例えば、

  • 同じ話を繰り返す
  • 約束を忘れる
  • 物を置いた場所が分からなくなる

といった症状です。

一方、正常圧水頭症では歩行障害が先に現れることが多く、

  • 歩き方がおかしい
  • 転びやすくなった

といった変化が目立つ傾向があります。

正常圧水頭症アルツハイマー型認知症
初期症状歩行障害記憶障害
歩行早期から障害比較的保たれる
尿失禁起こりやすい比較的遅い
治療による改善期待できる進行を遅らせる治療が中心

脳血管性認知症との違い

脳血管性認知症は脳梗塞や脳出血などが原因で起こります。

特徴として、

  • 麻痺
  • 感覚障害
  • 言葉の障害

などがみられる場合があります。

一方、正常圧水頭症では明らかな麻痺がないことも多く、歩き方やバランス能力の低下が主な問題となります。

認知症については、こちらの記事で詳しく解説しています。

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リハビリでよく見られる歩き方の特徴

正常圧水頭症では、次のような歩行の特徴がみられます。

  • 小刻み歩行
  • すり足歩行
  • 歩き始めの困難
  • 方向転換の不安定さ

特に方向転換や歩き始めでバランスを崩しやすく、転倒につながることがあります。

このような歩行の変化は、早期発見の重要なサインになります。

また、歩幅が小さくなることからパーキンソン病と似て見える場合があります。

しかし、正常圧水頭症では

  • 足が床に張り付いたように動きにくい
  • バランスが不安定で転びやすい

といった特徴が目立つことがあります。

一方、パーキンソン病では歩行に加えて、

  • 手足の震え
  • 動作の遅さ
  • 筋肉のこわばり

などがみられることが少なくありません。

見た目だけで区別することは難しいため、歩き方の変化が続く場合は早めの受診が大切です。

パーキンソン病については、こちらの記事で詳しく解説しています。

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受診を検討した方がよいケース

次のような症状が複数当てはまる場合は、脳神経外科や神経内科への相談を検討しましょう。

  • 歩幅が急に小さくなった
  • 転倒が増えた
  • 物忘れが増えた
  • 尿もれが増えた
  • 歩行障害と認知機能低下が同時に進んでいる

特に歩行障害が目立つ場合は、正常圧水頭症の可能性も考慮することが大切です。

まとめ

正常圧水頭症は、

  • 歩行障害
  • 認知機能低下
  • 尿失禁

の3つが特徴的な病気です。

認知症と似た症状が現れるため見逃されることがありますが、適切な治療によって改善が期待できる場合があります。

特に「歩き方の変化」は早期から現れやすい重要なサインです。

最近歩きにくくなった、転びやすくなった、物忘れも気になるという方は、一度専門医への相談を検討してみてください。

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