心理的安全性がチームを変える|リハビリ部門のチームビルディング実践論
私の勤務経験からは、リハビリテーション部門がチームとして十分に機能している病院や施設は、決して多くないように感じています。
リハビリテーション部門の管理者の仕事とは、患者様の振り分けや売上管理を行うことだけなのでしょうか。
個人的には、部門がチームとして機能した方が
- もっと患者様へ貢献できるのではないか
- 若手療法士がやりがいを持って働けるのではないか
と感じています。
あくまで私個人の考えではありますが、日々の経験の中で感じていることをまとめてみました。
興味のある方は、参考程度に読んでいただければ幸いです。
リハビリテーション部門の現状
一人の患者様に対して、医師・看護師・療法士・介護職など複数の専門職が連携して関わる「チーム医療」は、現在では一般的になっています。
他職種との連携は多くの現場で行われていると思います。
しかし、リハビリテーション部門の中で連携して患者様を支援する取り組みは、まだ十分とは言えないのではないでしょうか。
特に訪問リハビリでは、
- 担当者が単独で動く
- 管理者の目が届きにくい
- 担当者任せになる
といった環境になりやすく、結果として「個人プレー中心の組織」になっている職場も少なくないように感じます。
また、管理者の業務が
- 患者様の振り分け
- 売上の管理
- 書類や数値の管理
といった業務に偏り、スタッフが働く環境づくりへの関わりが少ない場合、チームは機能しにくくなるのではないかと感じています。
チームとして機能していない場合に起こること
チームとして機能していない職場では、次のような状況が起こりやすいように思います。
- チーム内で派閥ができる
- 同職種や他職種からの意見や質問を責められているように感じる
- 人目が気になり新しいことに挑戦できない
- 自分の意見を言いにくい
- 自分の行うことに不安が強くなる
このような環境では、心理的安全性が低下していきます。
心理的安全性が低い状態では、
- 他者を責めてしまう
- 傷つきやすくなる
- 自分を守るために派閥を作る
といった行動につながる可能性もあります。
その結果、患者様へのサービスの質にも影響が出てしまうのではないかと考えています。
チームビルディングとは何か
チームビルディングとは、各自のスキルや能力、経験を最大限に発揮し、目標を達成できるチームを作り上げていく取り組みのことです。
リハビリテーション部門における最も大切な目標は、質の高いリハビリテーションの提供であると私は考えています。
私が考えるチームビルディングの順序
ここからは、質の高いリハビリテーションを提供するためのチーム作りについて、私の考えを述べていきます。
私の理想は、スタッフ同士が建設的な意見交換をしながら、のびのび働ける職場です。
そのためには、次の順序が重要だと考えています。
- 心理的安全性の確保
- 技術力向上のための育成システム作成
- マネジメント力向上のための育成システム作成
この順序がとても重要です。
心理的安全性がない状態で技術指導をしても、人は成長しにくいからです。
チームビルディングの実践
①心理的安全性の確保
心理的安全性とは、集団の中で非難や拒絶の不安を感じることなく、安心して発言できる環境のことです。
チームとして機能するためには、まず心理的安全性を確保することが絶対条件になります。
心理的安全性を脅かす4つの不安
心理的安全性が低い職場では、次のような不安が存在していることが多いと言われています。
- 無知だと思われる不安
- 無能だと思われる不安
- 邪魔だと思われる不安
- 批判的と思われるのではないかという不安
これらの不安が強い環境では、人は発言や挑戦を避けるようになります。
結果として、組織の成長が止まってしまう可能性があります。
心理的安全性を高めるために必要なこと
心理的安全性を高めるためには、特別な制度よりも、日常の関わりが重要だと感じています。
例えば次のような行動です。
- 感謝する
- 挨拶をする
- 名前で呼ぶ
- 仕事を任せる役割を与える
- 目を見て話す
- 変化に気づいて伝える
- 過去の話や出来事を覚えている
- 家族のことまで気遣う
- 相談をする
- 人に紹介する
- 人と比べない
どれも特別なことではありませんが、継続することで大きな差になると感じています。
②若手療法士の技術力向上
学生や新人教育では、知識や考え方を重視していることが多いですが、治療効果を安定して出すためには、一定の技術力が必要だと感じています。
私は、技術の基本が身についていない状態で、
自分の行っていることを検証するのは難しい
と考えています。
リハビリ方法は様々ありますが、
- 持ち方
- 構え方
- 動かし方
といった基本技術は共通している部分が多いのではないでしょうか。
そのため、方法の統一よりも、基本技術を学べる環境づくりが重要だと思います。
また、すべての方法を統一してしまうと、
- セラピストの主体性が失われる
- 思考が止まりやすくなる
といった問題も起こる可能性があります。
若手療法士がのびのび働くためには、
- 技術の基本を教えられる人
- 長所を活かした治療計画を助言できる人
の存在が重要だと感じています。
③中堅療法士のマネジメント力向上
治療計画の立案には、
- 安定した技術
- 知識
- 経験
が必要になります。
そのため、中堅療法士には
技術だけでなく、チームを動かす力(マネジメント力)が求められるようになります。
心理的安全性が高いチームでは、症例検討の場でも建設的な意見交換が行われやすくなります。
その結果、
- セラピストの意欲向上
- マネジメント力向上
- 患者様へのサービス向上
につながると考えています。
管理職の役割とは何か
私は、リハビリテーション部門の管理者に最も求められる役割は、スタッフがのびのび働ける環境を作ることだと考えています。
もちろん、
- 患者様の振り分け
- 売上管理
- 数値管理
といった業務も大切です。
しかし、それ以上に重要なのは、人を活かす環境を作ることではないでしょうか。
人が成長できる環境があれば、結果として
- 患者様へのサービスの質が向上し
- 組織としての成果も向上する
と感じています。
また、人材育成では、全員を同じ型にはめるのではなく、それぞれの得意分野を伸ばしていく視点も重要です。
得意なことを伸ばす考え方については、こちらの記事でも詳しく紹介しています。
まとめ|チームの土台は心理的安全性
リハビリテーション部門がチームとして機能するためには、
- 心理的安全性の確保
- 技術力を高める育成システム
- マネジメント力の育成
この3つが重要だと考えています。
そして何より大切なのは、人を大切にすることではないでしょうか。
これからも、人を活かせる働き方やチーム作りについて考え続けていきたいと思います。
私は実際にこの転職サイトを利用し、週3回のアルバイトをしながら、少しずつ自分の事業を進めてきました。
「いきなり独立は不安…」という方も、働き方を調整しながら準備を進める方法があります。

