ロコモチェックから始める|歩く力を守る生活リハビリと自宅でできる運動
「最近つまづきやすくなった」
「靴下を履くときにふらつく」
「長く歩くのがつらくなってきた」
このような変化は、ロコモティブシンドローム(ロコモ)のサインかもしれません。
平成25年には、要介護の原因の第一位が運動器の障害となり、現在も厚生労働省がロコモ予防の重要性を呼びかけています。
今回はロコモティブシンドロームのセルフチェック方法と自宅でできるリハビリについて、分かりやすくまとめていきます。
ロコモティブシンドロームとは?
ロコモティブシンドローム(運動器症候群)とは、
平成19年に日本整形外科学会が提唱した概念で、
運動器の障害によって要介護になるリスクが高い状態を指します。

運動器とは?
運動器とは、身体を支えたり動かしたりする器官の総称です。
- 筋肉
- 骨
- 関節
- 靭帯
- 腱
- 脊椎
- 脊髄
- 末梢神経
これらがうまく働くことで、
- 立つ
- 歩く
- 座る
- 物を持つ
といった日常生活が可能になります。
ロコモの主な原因
ロコモの主な原因は次の2つです。
- 加齢
- 運動不足
これらによって筋力が低下すると、
- 変形性膝関節症
- 腰部脊柱管狭窄症
- 骨粗鬆症
などの運動器の病気につながります。
特に、膝や腰の痛みを放置することは、運動機能低下の大きな原因になります。
ロコモのセルフチェック
まずは、ご自身の状態を確認してみましょう。
ロコチェック(7つのチェック)
次の項目は、骨・関節・筋肉の衰えのサインです。
1つでも当てはまる場合は注意が必要です。
- 片脚立ちで靴下が履けない
- 家の中でつまずいたり滑ったりする
- 階段を上がるとき手すりを使いたくなる
- 家のやや重い仕事(掃除・布団の上げ下ろしなど)が困難
- 2kg程度の買い物を持ち帰るのが困難
- 15分くらい続けて歩けない
- 横断歩道を青信号で渡りきれない
1つでも当てはまる場合は、早めの対策が大切です。
ロコモ度テスト(立ち上がりテスト)
下肢筋力を確認できるテストです。

方法
- 高さ40cm程度の椅子に座る
- 片脚で反動をつけずに立ち上がる
- 立ち上がって3秒保持する
判定
- ロコモなし
→ 片脚で40cmから立ち上がり3秒保持できる - ロコモ度1
→ 片脚で立てないが、両脚で20cmから立ち上がれる - ロコモ度2
→ 両脚でも20cmから立ち上がれない
※無理をせず、安全な環境で実施してください。
簡単にできる生活リハビリ
ロコモ予防では、特別な運動よりも「毎日の動作」を整えることがとても重要です。
座位姿勢
正しい座り方は、体幹と下肢の機能維持につながります。

ポイント
- 左右の坐骨に均等に体重をかける
- 骨盤を起こして、足にも軽く体重をかける
- 背すじを伸ばす
猫背姿勢は筋力低下を進める原因になります。
立ち座り
立ち座りは、最も重要な基本動作です。

方法
- つかまる場所があってもOK
- 背すじを伸ばしたまま行う
- ゆっくり立ち上がる
- ゆっくり座る
注意点
- 立つとき:太ももの前側に力が入るようにゆっくり立つ
- 座るとき:ドスンと座らないこと
→ 膝や腰への負担を減らせます。
歩行
歩き方を意識するだけでも、筋力の使い方は大きく変わります。

ポイント
- お尻を軽く締めて歩く
- 膝を伸ばす意識
- 踵から接地する
これにより、
- 膝への負担軽減
- 転倒予防
につながります。
自宅でできる筋力トレーニング
運動は、「少しずつでも継続すること」が最も重要です。
おすすめは、
- 朝起きた後
- 食後
- 入浴前
など、時間を決めて習慣化することです。
スクワット(下肢筋力)
最も効果の高い基本運動です。

方法
- 椅子やテーブルにつかまって立つ
- 足を肩幅程度に開く
- 背すじを伸ばしたまま膝を曲げる
- 膝が45°程度曲がったらゆっくり戻す
回数:10回 × 1〜3セット
注意点
- 膝が内側に入らないようにする
- 踵に体重を乗せる
- 痛みがある場合は無理をしない
つま先立ち(ふくらはぎ)
歩行能力の維持に重要な運動です。

方法
- テーブルなどにつかまって立つ
- 踵を上げてつま先立ちになる
- 10秒キープ
回数:5〜10回
慣れてきたら、片脚立ちでも行うと効果が高まります。
ロコモ予防で大切な3つのポイント
最後に、特に大切なポイントをまとめます。
- 痛みを放置しない
- 毎日の動作を丁寧に行う
- 運動を継続する
ロコモは、早く気づいて対策すれば改善できる状態です。
まとめ
ロコモティブシンドロームは、
歩く・立つ・座る
といった基本的な動作が難しくなる原因となり、将来的な要介護リスクを高めます。
しかし、
- セルフチェックで早期発見
- 正しい日常動作
- 継続できる簡単な運動
これらを行うことで、予防・改善は十分可能です。
まずは、ロコチェックを1つでも試すことから始めてみてください。
少しずつの積み重ねが、将来の「歩ける身体」を作ります。
