今回は腕の痛みやしびれの原因とそれを緩和するためのリハビリ方法についてまとめてみます。
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腕の痛みやしびれの原因
鑑別が必要な2つの疾患について説明します。
頸椎症
加齢により頸椎が変形することで神経を圧迫して腕のしびれや痛み、筋力低下など様々な症状を引き起こす疾患です。
神経を圧迫する場所によって頸椎症性神経根症と頸椎症性脊髄症に分けられ、神経根症は片側のみ、脊髄症は両側に症状が現れることが多いです。
50歳代以降の男性に多く、発症率は男性が女性の2倍と言われています。
症状
- 肩や腕に痛みがある
- 水を飲むときなど上を向くと痛みが強くなる
- 手に力が入りにくい
- 腕や手の感覚が鈍い
- 手の甲の親指の付け根の筋肉が痩せた
- ボタンをはめるなどの細かい動作が難しい
頸椎の部位別の症状
- C5:肩から肘の外側
- C6:前腕外側から母指・示指
- C8:環指・小指
治療
- 薬物療法(消炎鎮痛剤、筋弛緩薬)
- 頸椎カラーで首を固定
- 姿勢改善のリハビリ
- 手術(椎弓形成術、前方固定術、後方固定術)
胸郭出口症候群
首から肩の胸郭出口と言われる部分で腕神経叢や鎖骨下動脈が圧迫されることで肩から手にしびれや痛み、冷感といった症状を引き起こす疾患で、女性に多いと言われています。
胸郭出口症候群は狭窄部位によって斜角筋症候群、肋鎖症候群、小胸筋症候群の3つに分けられます。
いかり肩は斜角筋症候群、なで肩は肋鎖症候群や小胸筋症候群になりやすいと言われています。
片麻痺などの麻痺により肩が下がっている方は発症しやすいので注意が必要です。
主な原因は生活習慣です。
- 悪い座位姿勢で長時間作業
- 美容師など腕を挙げて長時間作業
- 睡眠不足やストレス
- 重いものを持つことが多い
症状
- 手や腕が冷たい
- 手に力が入りにくい
- 腕がだるい
- 肩や腕、肩甲骨周囲が痛い
- 肘から手の小指側へ痛みやしびれがある
- 腕を上げるとすぐに重だるくなる
- 腕を上げると痛みやしびれが出る
- 腕を腰や背中に回すと痛みやしびれが出る
- ボールを投げるときや投げた後に腕がしびれる
治療
リハビリが中心で、体の負担となっている生活を見直すことも必要になります。
自宅でできるリハビリ
首のストレッチ
- 右手を背中の後ろに回す
- 左手で頭を押さえ、左下を見るようにゆっくり首を倒す
- 左下を見た状態で10秒キープ
- ゆっくり元に戻し反対も同じように行う
※頸椎症は頸部の安静が重要なので行わないで下さい。
肩甲骨の運動
姿勢を改善するための運動なので頸椎症、胸郭出口症候群ともに有効です。
肩の上げ下げ
- 両肩をできるだけゆっくり上げる
- 両肩を上げた状態で10秒キープ
- できるだけゆっくり下ろす
肩甲骨の運動
- ゆっくり背中を少し丸めて肩甲骨を開く
- 肩甲骨を開いた状態で5秒キープ
- ゆっくり背筋を伸ばして肩甲骨を近づける
- 肩甲骨を近づけた状態で5秒キープ
まとめ
腕の痛みやしびれを起こす頚椎症、胸郭出口症候群の症状や原因、リハビリ方法について簡単にまとめてみました。
しびれのような神経症状を伴う痛みは、自分で原因を特定することが特に難しいので、整形外科で画像を元に診断してもらうことをおすすめします。
もっと詳しく知りたい方のために、おすすめの書籍も紹介しておきます。
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