「最近まぶたが重くなってきた」
「眼瞼下垂は筋トレで改善しますか?」

このような相談を受けることがあります。

SNSでは「目のトレーニングで眼瞼下垂が治る」と紹介されることもありますが、実際にはすべての眼瞼下垂がトレーニングで改善するわけではありません。

この記事では、眼瞼下垂の原因や、トレーニングが有効なケース・難しいケース、効果的なセルフケアについて解説します。

眼瞼下垂とは

眼瞼下垂とは、上まぶたが下がり、目が開きにくくなる状態です。

このような症状がみられます。

  • 眠たそうに見える
  • おでこに力を入れて目を開ける
  • 視野が狭く感じる

まぶたは、眼瞼挙筋という筋肉と、それにつながる腱膜が働くことで持ち上がります。

そのため、筋肉や腱膜、神経などに問題が生じると、まぶたが十分に上がらなくなります。

また、眼瞼下垂は加齢とともに増え、40~50代頃から少しずつみられるようになり、60代以降ではさらに多くなります。

一方で、

  • コンタクトレンズの長期使用
  • 目をこする習慣

などが影響し、若い年代でも起こることがあります。

まぶたのたるみとの違い

「まぶたのたるみ」と「眼瞼下垂」は異なります。

  • まぶたのたるみ:皮膚がたるみ、上まぶたに覆いかぶさる状態
  • 眼瞼下垂:まぶたを持ち上げる筋肉や腱膜の働きが低下し、まぶたが十分に上がらない状態

加齢では、両方が同時にみられることもあります。

まぶたのたるみに対するトレーニングの効果は、十分な科学的根拠が示されていません。

眼瞼下垂の原因は筋力低下だけではない

「まぶたが下がる=筋力低下」とは限りません。

加齢による眼瞼下垂の多くは、眼瞼挙筋につながる腱膜が伸びたり外れたりする「腱膜性眼瞼下垂」が原因です。

そのため、筋トレだけで改善するケースは多くありません。

原因に合った対処を行うことが大切です。

トレーニングで改善が期待できるケース

まぶたは、眼瞼挙筋という筋肉が主に持ち上げ、ミュラー筋がその働きを補助しています。

疲労や眼精疲労、姿勢の乱れ、おでこや首・肩の緊張などによって、まぶたを持ち上げる筋肉が本来の力を発揮しにくくなることがあります。

次のような場合は、トレーニングや身体の使い方を見直すことで改善が期待できることがあります。

  • 夕方になるとまぶたが重くなる
  • 眼精疲労が強い
  • デスクワークやスマートフォンを見る時間が長い
  • おでこや首・肩に力が入りやすい
  • 姿勢を整えると目が開きやすくなる

このような場合は、筋力不足ではなく、筋肉が十分に働いていない状態であることが少なくありません。

トレーニングでは改善が難しいケース

一方で、次のような場合はトレーニングだけで改善することは難しいと考えられます。

  • 常にまぶたが下がっている
  • 加齢による腱膜性眼瞼下垂
  • 眼瞼挙筋そのものの機能低下
  • 神経や筋肉の病気が原因
  • 視野が狭くなるほどまぶたが下がっている

このような場合は、眼科で評価を受けることが大切です。

眼科ではどのような評価をする?

眼科では、次のような評価が行われます。

  • まぶたの下がり具合(MRD-1)
  • 眼瞼挙筋の動き
  • 眼瞼下垂の原因(腱膜性かどうかなど)

これらの評価によって、トレーニングで改善が期待できるかどうかを判断する参考になります。

日常生活で気を付けたいポイント

① 長時間のスマートフォン・パソコンを避ける

スマートフォンやパソコンを長時間見続けると、眼精疲労が蓄積し、まぶたが重く感じやすくなります。

20〜30分に一度は遠くを見る、意識的にまばたきをするなど、目を休める時間をつくりましょう。

② 目を温める

眼精疲労が強い方は、蒸しタオルや市販のホットアイマスクで5〜10分程度目を温めるのがおすすめです。

血流が促され、目の周囲の筋肉がリラックスすることで、まぶたが開けやすくなることがあります。

③ 姿勢を意識する

猫背や頭が前に出る姿勢では、首やおでこの筋肉に余計な力が入りやすくなります。

座るときは、

  • 背筋を軽く伸ばす
  • あごを軽く引く
  • 視線を正面に向ける

ことを意識しましょう。

眼瞼挙筋トレーニング

おでこの力を抜いて目を開く練習

トレーニングは、筋肉を高めるというよりも、眼瞼挙筋が本来の働きを発揮しやすくすることが目的です。

方法

  1. 指を軽くおでこに当てます。
  2. おでこにシワを寄せないよう意識します。
  3. ゆっくり目を閉じ、ゆっくり開きます。
  4. 10回を1セット、1日2〜3セット行います。

ポイント

  • おでこの筋肉ではなく、まぶたを持ち上げる感覚を意識する
  • 力まずゆっくり行う

トレーニングを行う際の注意点

  • 「目をギュッと閉じる」「大きく見開く」といったトレーニングは、加齢による腱膜性眼瞼下垂への十分な効果は確認されていません。
  • まぶたを強くこすると、腱膜に負担がかかる可能性があります。
  • 無理に鍛えるのではなく、身体全体の緊張を整え、眼瞼挙筋が働きやすい状態を目指しましょう。
  • 違和感や痛みがある場合は、中止して眼科へ相談しましょう。

次のような場合は早めに眼科を受診しましょう。

  • 急にまぶたが下がった
  • 物が二重に見える

目元の印象は、まぶただけでなく、顔全体の筋肉の使い方や肌の変化にも影響されます。

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まとめ

眼瞼下垂は、すべてが筋力低下によるものではありません。

トレーニングで改善が期待できるのは、筋肉が十分に働けていないケースです。

一方で、加齢による腱膜性眼瞼下垂や神経・筋肉の病気が原因の場合は、眼科での評価が必要になります。

まずは原因を知り、自分の状態に合った対処を選ぶことが大切です。

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