対象者の身体に触れる前に、どのような声かけをしていますか?

私は、身体に触れる前の「失礼します」という一言をとても大切にしています。

この言葉は、単なる礼儀ではありません。

これから触れる身体を大切に扱うための、セラピスト自身の心構えにもなります。

リハビリでは、技術だけでなく「どのような気持ちで触れるか」が、対象者の安心感や身体の反応にも影響すると私は考えています。

実技指導でも、ハンドリングを学ぶ前に、まずこのことをお伝えしています。

触れる前に伝えること

身体に触れる前には、まず「何をするのか」「なぜ行うのか」を伝えます。

例えば、腰の痛みがある方であれば、
「腰が痛いということなので、股関節や骨盤まわりの筋肉の状態をみていきます。」と説明します。

目的を共有することで、対象者は安心してリハビリを受ける準備ができます。

その後、実際に身体へ触れる際には、触れる部位を伝えます。

例えば、

「膝を伸ばします。足、失礼します。」
「太もものこわばりを確認します。失礼します。」
「骨盤を触ります。失礼します。」

このように、触れる直前には必ず「失礼します」と声をかけてから触れるようにしています。

「失礼します」が身体の反応を変える3つの理由

①「失礼します」が身体の準備をつくる

突然身体に触れられると、人は無意識に身構えます。

筋肉が緊張したり、呼吸が浅くなったりすることもあります。

しかし、触れる前に声をかけることで、対象者は触れられることへの構えができます。

その結果、防御的な筋緊張が起こりにくくなり、身体の状態をより把握しやすくなります。

②「失礼します」が信頼関係をつくる

身体に触れられることは、対象者にとって少なからず緊張を伴うことがあります。

だからこそ、触れる前の一言で気持ちの準備ができ、「自分の身体を大切に扱ってもらえている」という安心感につながります。

こうした小さな積み重ねが、対象者との信頼関係を築いていくと考えています。

③「失礼します」がセラピストの手を変える

私が「失礼します」を大切にしている一番の理由は、セラピスト自身の意識が変わるからです。

「失礼します」と声に出すことで、
「これから触れる身体を大切に扱う」という心構えが生まれます。

すると、自然と手の置き方や触れる強さ、動かし方も丁寧になります。

同じ技術であっても、どのような気持ちで触れるかによって、手から伝わる安心感や心地よさは変わるように思います。

触れることは、技術ではなく関わりから始まる

リハビリでは、評価や手技などの技術に目が向けられることが多くあります。

しかし、身体の反応を引き出すためには、技術だけでは十分ではありません。

  • どのように説明するか。
  • どのような気持ちで触れるか。
  • どのように対象者と向き合うか。

これらもセラピストに求められる大切な姿勢の一つだと考えています。

だから私は、実技指導でもハンドリングを学ぶ前に、まず「失礼します」という一言の大切さをお伝えしています。

信頼関係は、日々の関わりの積み重ねによってさらに深まっていきます。
信頼関係構築については、こちらの記事で詳しく解説しています。

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まとめ

「失礼します」という一言は、ただの声かけではありません。

  • 対象者が安心して身体を預けるため
  • 防御的な緊張を減らすため
  • 信頼関係を築くため
  • セラピスト自身が身体を大切に扱うため

この一言が、セラピストの手を変え、対象者の身体の反応を引き出すきっかけになります。

身体に触れる前から、リハビリは始まっています。

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