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下肢・体幹機能の改善!立って靴下を履く動作の分析と観察ポイント

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靴下を履く動作は、座って履いたり立って履いたりなど人によって方法が様々です。

立って靴下を履く動作は、片足立ちでの安定が必要なので様々な動作につながり、転倒もしにくくなります。

今回は、立って靴下を履く動作の理想的な運動について考えてみます。

靴下を履く動作の構成要素

靴下を履く動作の構成要素は、靴下の認知や手の操作などもありますが、今回は分かりやすく主な3つに絞ります。

①片足立ちでの安定

片方の下肢を真っすぐ上げるには、もう片方の下肢で安定した立位ができていることが重要です。

片足立ちの安定には、インナーユニットや支持側の中殿筋、大腿四頭筋、ヒラメ筋の働きが重要になります。

脳のシステムとしては、片側下肢を上げる運動の前に先行性随伴性姿勢調節(pAPA`s)が働きコアコントロールによって骨盤の後傾が起こり、支持側に強固な支持を保障し、運動側の挙上を助けます。

運動側は足部(遠位)から運動が開始されます。

片足立ちが安定していても、反り腰などによる股関節の可動域制限、下肢の筋力低下(特にに腸腰筋)で運動側の下肢が上がりにくいことがあります。

②体幹と上肢の協調性

体幹は、脊柱起立筋や広背筋が最大に伸張することで、骨盤後傾・体幹屈曲して下肢に近づきます。

両上肢は、肩甲骨が外転、肘関節伸展し手関節が安定した状態で、足部に靴下を持っていきます。

脳のシステムとしては、立位保持で内側毛様体系・前庭系が賦活されますが、足部へのリーチは内側毛様体系の活動を減弱していくようになります。

③足関節の運動

足関節は、背屈位で下肢を挙上し、背屈位のまま靴下につま先を入れ、踵を通すときは底屈位に切り替わります。

脳のシステムとしては、外側皮質脊髄路系の働きにより足部を選択的に動かし、靴下に足部を適合させます。

観察のポイント

上記のように立って靴下を履く動作は、支持側の下肢でしっかり立ち、運動側の下肢を真っすぐ上げ、骨盤や体幹を丸めることでバランスよく身体が働きます。

観察ポイントは、健常者でもありがちな非効率な動作から考えてみます。

コアコントロール

コアコントロールが難しいと骨盤の後傾や下肢の挙上、足部のコントロールが難しくなります

  1. 支持側の下肢が3点支持(母趾球、小趾球、踵)できていない
  2. 運動側の下肢が真っすぐ上がらない
  3. 骨盤後傾や体幹屈曲をしない(反り腰で固めるなど)
  4. 足関節が動かない

体幹や肩甲骨の可動域

体幹や肩甲骨周囲に筋力低下や緊張がある場合、可動域制限により骨盤後傾や体幹屈曲が難しくなります

  1. 骨盤後傾や体幹屈曲が不十分
  2. 上肢リーチ時に肩甲骨が挙上する

まとめ

靴下を履く動作の構成要素や観察のポイントについて簡単にまとめてみました。

参考文献
ボバースジャーナル,34(2),P184,2011

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