インソールの使いすぎで膝や足が痛くなる?メリットと注意点
最近、
- 「足がよくつる」
- 「歩くと膝が痛くなる」
- 「歩き方がおかしい感じがする」
といったご相談をいただくことがよくあります。
そのような方の足の状態を確認していくと、
インソールを長期間使用している方が多く見られます。
インソール自体は、足や膝の負担を減らすためにとても有効な道具です。
実際に、適切に使用すれば歩きやすさの改善につながることも少なくありません。
しかし一方で、
インソールを長く使い続けたことで、
足が内側に傾きやすくなっている方(足部内反)が多いように思います。

特に、
- 小指側に体重が乗りやすい
- 親指がうまく使えていない
- 足の外側ばかりが硬くなる
といった状態が見られることがあります。
こうした変化は、
インソールが悪いのではなく、
「使いすぎ」によって足の筋肉が使われにくくなっている可能性があります。
今回は、インソールのメリットと注意点、
そして足の筋肉との関係についてお伝えしたいと思います。
インソールとは
インソールとは、靴の中に入れて足を支えるための補助具のことです。

足の裏には、体重を支えたり、歩くときの衝撃を吸収したりする大切な働きがあります。
しかし、足の形や筋力の状態、歩き方のクセなどによって、足にかかる負担が偏ることがあります。
インソールは、その偏りを補い、足への負担を軽減するために使われます。
インソールの役割
- 足のアーチを支える
- 足裏にかかる圧力を分散する
- 歩行時の衝撃をやわらげる
- 足や膝、腰への負担を軽減する
インソールのメリット
- 足の疲れを軽減できる
- 歩きやすさが向上する
- 足や膝への負担を減らせる
といったメリットがあります。
特に、
- 足の疲れやすさがある方
- 外反母趾や扁平足がある方
- 膝や腰に負担を感じやすい方
にとっては、足を守るための大切な道具となることがあります。
インソールのデメリット
一方で、インソールは便利な道具である反面、使い方や使用期間によってはデメリットが生じることもあります。
- インソールを常に使っている
- インソールを長期間使っている
- 足裏や指の筋肉を使う機会が減っている
このようにインソールを使いすぎると、
- 足がつりやすい
- 歩くと土踏まずが疲れやすい
- 歩いたり立ったりすると膝が痛い
など、本来足が持っている働きが低下することで様々な不調が起こることがあります。
特に膝に痛みが出る場合は、
小指側に体重がかかりやすくなることで、
太ももの筋肉(大腿四頭筋)や内ももの筋肉(股関節内転筋)まで働きにくくなり、膝への負担が増えることがあります。
インソールは、足の働きを助ける「サポート役」であり、決して悪いものではありません。
大切なのは、必要な場面で適切に使うことです。
インソールの使いすぎで働きが弱くなりやすい筋肉
インソールを長期間使用することで、使われにくくなる可能性のある筋肉はいくつかあります。
ここでは代表的な筋肉をご紹介します。
① 足の内在筋(足裏の細かい筋肉)

代表的な筋肉:
- 母趾外転筋
- 短趾屈筋
- 骨間筋
役割
これらの筋肉は、
- 足のアーチを支える
- 地面をつかむ
- バランスを保つ
といった、足の土台を作る大切な働きを担っています。
使われにくくなる理由
インソールがアーチを強く支えすぎると、
本来自分の筋肉で支える役割が減ってしまいます。
その結果、足裏の筋肉が「使われにくくなる」状態が起きることがあります。
② 後脛骨筋(アーチを支える重要な筋肉)

この筋肉は、内側アーチ(いわゆる土踏まず)を支える非常に重要な筋肉です。
役割
- 内側アーチを支える
- 足の安定性を高める
使われにくくなる理由
アーチ支持が強いインソールを長期間使用し続けると、
アーチを支える仕事をインソールに任せやすくなるため、
筋肉の働きが低下する可能性があります。
③ 長趾屈筋・長母趾屈筋(踏み込みに関わる筋肉)
これらの筋肉は、歩くときの「踏み込み」に関わる筋肉です。
役割
- 指で踏ん張る
- 前に進む力(推進力)を作る
使われにくくなる理由
硬いインソールや靴底によって、足の指を使う機会が減ると、
踏ん張る力が弱くなることがあります。
④ 長腓骨筋(足の安定にとても重要な筋肉)

長腓骨筋は、臨床的にとても重要な筋肉です。
この筋肉は、足が内側に倒れすぎないように支える、とても重要な筋肉のひとつです。
役割
- 足部が内側に倒れすぎないように支える
- 第1中足骨(親指側の骨)を安定させる
- 横アーチを支える
- 立ったときの足の安定性を高める
歩行や立位の安定にとって、非常に大切な役割を担っています。
長腓骨筋の働きが弱くなると、
- 足が内側に傾きやすくなる(足部内反)
- 親指側の接地が弱くなる
- 小指側に体重が乗りやすくなる
- 足の外側ばかりに負担がかかる
- バランスが不安定になる
足がつりやすい方や膝の痛みを感じている方の中に、
「母趾が使えない足」
になっているケースは、臨床的にも非常に多い印象があります。
インソールとの関係(臨床で多いパターン)
インソールの種類や設計によって、筋肉の使われ方に影響が出ることがあります。
特に注意したいのは、次のようなケースです。
① 外側支持が強い設計
外側が高くなりやすいインソールや靴の場合、
外側荷重が安定する
→ 内反した状態でも立ててしまう
→ 長腓骨筋が働かなくなる
という流れが起きやすくなります。
これは、
「安定しているように見えて、実は使っていない」
状態になりやすい特徴があります。
② アーチ支持が強すぎるケース
内側アーチ支持が強すぎる場合、
- 第1中足骨が安定しにくくなる
- 母趾への荷重が減る
- 長腓骨筋の活動が低下する
という変化が見られることがあります。
特に、
- 既製インソールを長期間使用している方
- 運動習慣が少ない方
- 高齢者
では、比較的よく見られる傾向です。
インソールは「使いながら育てる」ことが大切
インソールは、足を守るための大切な道具です。
しかし、
- 常に頼りすぎる
- 筋肉を使う機会がない
このような状態が続くと、足の働きが低下してしまうことがあります。
大切なのは、インソールを使いながら、足の筋肉も育てていくことです。
本来は「インソールがいらない状態」を目指すことが理想です
インソールは、足の負担を減らし、
痛みを軽減するための大切な道具です。
しかし本来は、足の機能が回復し、
インソールに頼らなくても安定して立てる状態を目指していくことが理想です。
そのためには、
- 足の筋肉を使う機会を作ること
- 足の使い方を見直すこと
- 必要に応じて運動を取り入れること
がとても重要になります。
インソールは、
「頼り続けるもの」ではなく「回復を助けるための補助」
として活用していくことが大切です。
また、
すべての方がインソールを外せるわけではありませんが、
可能な範囲で「自分の足で支えられる状態」を目指すことが大切です。
インソールと併用したい足のトレーニング
ここでは、自宅でも行いやすく、足の筋肉をしっかり使える運動をいくつかご紹介します。
特に、
- 長腓骨筋
- 足の内在筋
を働かせることを目的とした運動です。
① 足指じゃんけん
とても基本ですが、足の筋肉を使う第一歩としておすすめの運動です。

方法
- 椅子に座ります
- 足の指で「グー・チョキ・パー」を作ります
- ゆっくり動かすことを意識します
回数の目安
左右それぞれ10回 × 2〜3セット
この運動の目的
- 足の内在筋(足裏の筋肉)を働かせる
- アーチを支える力を育てる
- 足指を使う習慣を作る
② 母趾荷重の練習
これが最も重要な練習のひとつです。
多くの方が、親指をうまく使えていない状態になっています。

方法
家事や歯磨きをするときなど立って作業を行うときに、
親指側に体重をかける習慣を身につけます。
- 両足に均等に体重をかけて立ちます
- 親指と親指の付け根に体重を乗せます
- 小指側に体重が逃げないよう意識します
この運動の目的
- 第1中足骨の安定
- 長腓骨筋の活動促進
- 外側荷重の改善
「母趾が使えない足」の改善には、とても重要な運動です。
まとめ|「支える」と「育てる」を両立することが大切
インソールは、足を支えるための大切な道具です。
しかし、足を育てることも同じくらい重要です。
- 必要な場面ではインソールを使う
- 同時に足の筋肉も育てていく
この両方を行うことで、より安定した歩行や、疲れにくい足づくりにつながります。
当店でも、インソールを長期間使用されている方の中に、
足首を内側に捻った状態(足部内反)を見かけることがあります。
インソールを常に使われている方は、一度「使い方」を見直してみることも大切です。


